Terminator 3: Rise of the Machines, T3


視聴日:2013/8/2

邦題:ターミネーター3
公開:2003/7

CREW
監督:ジョナサン・モストウ

出演
ターミネーター(T-850)…アーノルド・シュワルツェネッガー
ジョン・コナー…ニック・スタール
ケイト・ブリュースター…クレア・デインズ
T-X…クリスタナ・ローケン


ターミネーター3は決して駄作ではないが、
T-850のキャラクターの描き方を間違っているという点がこの作品の評価を決定付けてしまっている。

ターミネーターは物語の主人公ではないが、間違いなく映画の中心人物だ。
T1では圧倒的パワーを持つ敵キャラクターとして描かれ、
T2では人間との交流を通して、機械だけではない人間らしい側面を見せた。
しかしT3で描かれているターミネーターは、非常に無個性で、ただの命令に従うロボットに成り下がってしまっている。
ターミネーターは、プログラムで制御された存在でありながらも、自我で行動をしているのに、
T3に登場するターミネーターはまるで操り人形のように愚直に行動しているように見えてしまうのだ。

前作を超える作品を作る、というのはシリーズものの宿命である。
ターミネーター3でも、そういった気概を感じるような部分は存在している。
しかし、その部分はあくまで視覚的な部分のみにとどまっており、
物語やキャラクターは前作の焼きましにすぎない。
T-Xという新しいターミネーターが登場したが、女性型という点以外T-1000と異なった点はなく、
さらに女性型である利点を活かした戦い方をするわけでもないので、肩透かしをくらった。

ターミネーターはアクション映画に分類される作品であるが、
恐らくターミネーターファンが求めているのは機械と人間の交流譚なのだろう。
1では敵として、2では味方そして父親として、ターミネーターは人間と関係を育んできた。
3のターミネーターの印象が薄れてしまうのは、一人のキャラクターとしてではなく、
お話をする兵器として描いている側面が強いからのように感じた。


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OBOEGAKI

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Reviewer:Yayoi Oyama

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