Pacific Rim



地球にはかつてない危機が訪れていた。
深海の割れ目から突如超巨大な奇怪生物が現れ、人類の住処をその巨体で破壊し始めたのである。
「KAIJU」と名付けられた奇怪生物は、まるで地球全体を食いつくすかのように暴れ回った。
人類はKAIJUに対抗する為に、搭乗ロボット「イェーガー」を作り上げ、KAIJUの掃討の当たった。
圧倒的なパワーを持つイェーガーはKAIJUを倒すことに成功する。
人類はKAIJUとの戦いの勝利に酔いしれ、イェーガーとパイロットを称賛する日々を送る。
しかし、その平和も束の間のものに過ぎないのであった。

まるで、自分の好物が目の前に並んでいるとしたら、
何から食べような悩んでしまうのではないだろうか。
しかし、この映画は食べる順番を考えるが馬鹿馬鹿しくなるくらい、
満腹になるまで味わうことの出来る映画である。

子供の頃にロボットアニメや、怪獣映画に夢中になった大人なら、
このパシフィック・リムの世界の虜になるに違いない。
かつて自分が大好きだった世界やヒーローがスクリーンの中で大暴れするのだから、
子供のようにワクワクしながら観てしまうのだ。

登場するイェーガーのデザインも、
公開前はずんぐりむっくりしたぼんやりとした印象だったが、映画を観て一変した。
まるで鳩のように後ろ羽根の生えた銀の機体ストライカー・エウレカ。
逆関節で鳥足、さらに三本腕の赤い機体クリムゾン・タイフーン。
この2体は特に気に入っているイェーガーだが、残りの機体も魅力的なものばかりだ。
かっこ良く、そしてどこか愛らしいみえるフォルムにすっかり夢中になってしまった。

しかし、好物というものは人によって異なるのである。
この映画に感動するようなストーリーや、感銘を受けるような仕掛け等は一切存在しない。
もし映画にこれらを求めているとしたら「この映画はつまらない」と感じてしまうかもしれない。
その点で、この映画は見る人を選ぶ映画といえる。

それでも、私はこの映画が好きである。
自分の好きなものを貫いて、映画という巨大な作品を作りあげた
ギレルモ監督の熱意と手腕に感動してしまうのだ。
徹底的なこだわりで作り上げたこの映画は、作り手として羨ましくもある作品である。

なんとも贅沢で豪勢な映画を味わってしまった!
The date which I watched 鑑賞日:2013/8/9 2D吹き替え
2013/8/24 IMAX3D字幕
2013/8/25 2D字幕
2013/8/27 4DX吹き替え
2013/9/1 3D吹き替え
2013/10/19 4DX吹き替え
2013/11/9 IMAX3D字幕
Japanese title パシフィック・リム(2013)
Directer Guillermo del Toro
Release Dates 9 August 2013 (Japan)
Stars ローリー・ベケット:チャーリー・ハナム
森マコ:菊地凛子
スタッカー・ペントコスト:イドリス・エルバ
ニュートン・ガイズラー博士:チャーリー・デイ
ハーマン・ゴットリーブ博士:バーン・ゴーマン
ハーク・ハンセン:マックス・マルティーニ
チャック・ハンセン:ロバート・カジンスキー

 

OBOEGAKI

2013年7月以降に鑑賞した映像作品や舞台の感想を記録している場所です。
Reviewer:Yayoi Oyama

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