Blade Runner


鑑賞日:2013/10/13

邦題:ブレードランナー
公開:1982年

監督:リドリー・スコット
脚本:ハンプトン・ファンチャー、デイヴィッド・ピープルズ

出演
リック・デッカード:ハリソン・フォード
ロイ・バッティ:ルドガー・ハウアー

2019年のニューヨーク。
タイレル社によって作られた作業用の人造人間、「レプリカント」が人間に牙を向いた。
レプリカントは人間と同等の知能を与えられており、製造から数年経つと感情を持つようになっていた。
人類は反逆を起こした「レプリカント」を処分する為の「ブレードランナー」を組織したのだった。

ある時「ブレードランナー」を引退したデッカードの元に、逃げ出した6人の「レプリカント」を処分して欲しいという要請が届く。
デッカードは捜査の中で出会った、ターゲットである1人の女性レプリカントのレイチェルに心惹かれてしまう。
この映画を観る時は、仕事帰りの疲れきった頭で観てはいけない。
現に私はその状態で、この映画を初めて観たことを後悔している。
異質な世界を淡々と進むストーリーを退屈に感じてしまい、何度も中断してこの映画を観てしまった。
しかし、ラストで気付かされる物語の錯覚に気づくには、柔らかいソファーに座って、頭をリラックスさせて観ることをオススメする。

「ブレードランナー」は、冒頭で人造人間に感情が芽生え、人間に反旗を翻したことを伝える。
さらに、レプリカントかどうかを見極めるテストを行う風景を描き、レプリカントが人間を銃殺して脱走するシーンが描かれる。
この流れで観ているものはレプリカント=悪であると思わされてしまうのだ。
劇中のレプリカントたちも、人間たちの立場から見ると異質で攻撃的な兵器のように見えてしまう。
しかし、ラストまで観終わると、悪はどちらであるのか葛藤することになるだろう。
人造人間が生きることに執着し、より人間らしく生きることを望む姿に、まるで自分が機械のような存在になっていたように気付かされるのだ。

観終わった後も忘れることができない異質な世界観、サイバーなミュージック、どれも魅力的だが、この作品で最も素晴らしいのが死ぬ間際に語るロイの心内だ。
直前までデッカードを追い詰める脅威の存在だったのに、彼の清い心情を知ると、儚く息を引き取って行く姿に心打たれてしまう。

この映画を観終わった後、まるでデッカードのように人造人間に惹かれてしまう事だろう。

 

OBOEGAKI

2013年7月以降に鑑賞した映像作品や舞台の感想を記録している場所です。
Reviewer:Yayoi Oyama

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